食物に含まれる鉄

食物に含まれる鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄の

2種類があります。 それぞれの特徴を見ていきましょう。


◇ ヘム鉄

ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多い鉄。

牛や豚、 鳥のレバー、 カツオなど 

赤身の肉や魚に 豊富に含まれています。

体内への吸収率が  30~35%と 

高く、非ヘム鉄の 6~7倍にもなります。

貧血対策にはぜひ利用したい食べ物ですね。

緑茶や紅茶、ウーロン茶、コーヒーなどに含まれる

タンニンは 鉄の吸収を妨げるといわれていますが、

ヘム鉄の場合は、タンニンと一緒に摂ったと

しても、効率よく腸管から吸収されます。

レバーは苦手な人が多いのですが、調理法を

工夫して食べやすくするといいですね。

自分ではレバーを調理したくないけど、焼き鳥屋さん

のレバーなら食べられるという人も多いですよ。



◇ 非ヘム鉄

大豆や野菜、海藻などの植物性食品に多い鉄。

食物繊維や玄米などに含まれるフィチン酸、

コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるタンニン

によって吸収が悪くなります。しかし、非ヘム鉄

も動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に

摂ることによって、吸収されやすくなりますので、

あまり神経質になる必要はありません。

貧血の原因

貧血の原因の80%以上が 鉄不足といわれていて、

症状にあらわれていなくても鉄が欠乏している人が

たくさんいるようです。いわゆる鉄欠乏性貧血ですね。




大量の出血がない限り、 鉄分は体内に貯蔵されて

コントロールされていますが、残念ながら鉄は体内では

つくることができない上、汗や尿、便、また女性の場合

生理時の出血などによって、日々失われ続けています。

また、大量の汗によって失われる鉄の量も侮れません。

運動などでたくさん汗をかくと、アセと一緒に鉄分も流れます。

夏場のスポーツなどは、とくに注意が必要でしょう。

意識的に補給したいですね。


血液中の鉄である機能鉄が不足しただけでは

貧血はおこらず、 鉄の不足を補う貯蔵鉄までも

がなくなって酸欠状態になったとき、はじめて 

その症状があらわれます。


貧血の症状
があらわれているような場合は、重度の

鉄欠乏と考えられますので、早めの対応が必要になります。


また、貧血の症状が出ていないからといって、油断は 

禁物です。 やはり普段から意識的に食べ物などから 

鉄を摂取吸収するように習慣づけることが大切です。

からだの中の鉄

わたしたちの身体の中には およそ4gのが 

存在していますが、 そのうちの約70%を

ふだん体内で働いている機能鉄が占めています。 

機能鉄は、血液中でヘモグロビンの成分となり、

身体のすみずみまで酸素を運ぶという、生きていく

上で必要不可欠な大変重要な役割をになっています。

からだの中には 機能鉄のほかに貯蔵鉄、組織鉄

などが存在し、それぞれに大切な役割があります。

体内の鉄分も身体を守るために頑張っているんですね! 

私たちも貧血にならないように、食べ物から鉄分をしっかり

とるようにしたいものです。